家族関係軽視による在留特別許可を与える判決

在留特別許可の判例等

名古屋地裁は2013年7月18日、「日本国籍を持つ子供がいるのに、名古屋入国管理局が在留特別許可を出さず、強制退去処分としたのは違法である」として、不法残留のフィリピン国籍の男性(34)が処分取消を求めた訴訟の判決があり、福井章代裁判長は、許可を与えなかった名古屋入管局長の判断は、永住許可を受け適法に在留していた妻との婚姻関係や、妻の先夫の子を養育している家族関係を軽視しているとした上で、社会通念に照らし著しく妥当性を欠くとして処分を取り消しました。

この男性は、2006年3月に、15日間の在留期間で日本に入国したのですが、出国期限が来ても日本から出国しなかったので不法残留となりました。

その後、2010年3月に、日本国籍を持つ男児(9)のいるフィリピン人女性と結婚しました。

しかし、結婚から約1年後、2011年10月に、入管難民法違反容疑で逮捕され、退去処分を受けました。

そして、これに不服として訴訟になりました。

福井裁判長は判決で、男児が日本での生活を希望していると指摘した上で、「母子だけでの生活は困難で、母親も帰国すれば、男児はフィリピンで生活することとなるため、原告の男性に在留特別許可を与えるべき事情として積極的に考慮すべきだ」としました。

ざっくり言うと、「日本国籍を持つ子どもを扶養していた外国人(永住者)の配偶者は、在留特別許可が認められる可能性がある」ということになります。

この判決には賛否両論ありますが、本当の自分の子どもでなくても、本人同士が愛し合っているのであれば、今回の判例のように、在留特別許可を与えるのはよいことだと私は思います。

しかし、その一方で、この判決により、日本人の子どもを扶養している外国人を狙った、外国人による偽装結婚によるビザ(在留資格)の取得が増加する可能性があると考えられることは否めません。

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