外国人には生活保護法が適用されないという判例

外国人と生活保護

平成24年7月18日、最高裁第2小法廷では、判決では初めて「外国人には生活保護法は適用されない」という判断を示しました。

判例では、「①、旧生活保護法は,その適用の対象につき「国民」であるか否かを区別していなかったのに対し,現行の生活保護法は,1条及び2条において,その適用の対象につき「国民」と定めたものであり,このように同法の適用の対象につき定めた上記各条にいう「国民」とは日本国民を意味するものであって,外国人はこれに含まれないものと解される。

そして,現行の生活保護法が制定された後,現在に至るまでの間,同法の適用を受ける者の範囲を一定の範囲の外国人に拡大するような法改正は行われておらず,同法上の保護に関する規定を一定の範囲の外国人に準用する旨の法令も存在しない。

したがって,生活保護法を始めとする現行法令上,生活保護法が一定の範囲の外国人に適用され又は準用されると解すべき根拠は見当たらない。

②、本件通知(生活保護の不許可の通知)は行政庁の通達であり,それに基づく行政措置として一定範囲の外国人に対して生活保護が事実上実施されてきたとしても、そのことによって,生活保護法1条及び2条の規定の改正等の立法措置を経ることなく,生活保護法が一定の範囲の外国人に適用され又は準用されるものとなると解する余地はなく,前記2(3)の我が国が難民条約等に加入した際の経緯を勘案しても,本件通知を根拠として外国人が同法に基づく保護の対象となり得るものとは解されない。

なお,本件通知は,その文言上も,生活に困窮する外国人に対し,生活保護法が適用されずその法律上の保護の対象とならないことを前提に,それとは別に事実上の保護を行う行政措置として,当分の間,日本国民に対する同法に基づく保護の決定実施と同様の手続きにより必要と認める保護を行うことを定めたものであることは明らかである。

そして、判決では①と②により、外国人は、行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象となり得るにとどまり、生活保護法に基づく保護の対象となるものではなく、同法に基づく受給権を有しないものというべきである。

そして、「本件却下処分は、生活保護法に基づく受給権を有しない者による申請を却下するものであって、適法である。」としています。

今まで日本国としても、外国人には生活保護法が適用されないという姿勢であり「生活保護法による保護に準じた行政措置」として以下の者には生活保護を適用してきました。

  • 永住者ビザの外国人
  • 定住者ビザの外国人
  • 永住者の配偶者等ビザの外国人
  • 日本人の配偶者等ビザの外国人
  • 特別永住者の外国人
  • 入管法による難民認定を受けた者

しかし、これからはこの判例により、何かしらの変化が起こり得るかもしれません。

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